講師は堀岡正子委員でした。
アーチストトークでは絵の制作に向かう真摯な態度をお話しくださいました。
講評会では、次回の本展に向けてとても具体的なご指導をしてくださいました。
次回の研究会は10月27日(金)です。
寄稿/研究部担当 委員 黒沢裕子
私の作品について
寄稿 :9月研究部 講師:堀岡 正子
作品の事は、私の過去から話さなければと思っています。
40年程前に、10歳で息子を白血病で亡くしています。今と違って当時は、生存率がとても低かったです。
最後の一ヶ月位病院で息子と過ごした。
病院は高台にあり、夕方なると、眼下の家々に灯りがぽつぽつと灯り、その景色が幸せのシンボルに見えました。
なぜ? 私達だけがと暗澹たる気持ちになりました。
日々変わる息子の表情を写真ではなくスケッチしようと思ったが残念ながらうまく描けない。
絵を習っておけばと後悔しました。それが動機で現在に至っています。
樹をテーマにしているのは、その時の想いから樹は何千年、何百年と生き続ける。
そんな樹を通して、過去、現在、未来の人々の営みを描きたい。厳しい過去から一筋の光が見えるそんな作品にしたいです。
ただ最近は樹その物でなく、樹を含めた風景画になり、その中で自然の厳しさ、暖かさが描けたらと思っています。
最後に絵を描く事は、息子からのプレゼントだと思っています。