2024年09月29日

芥川(間所)紗織 今年は生誕100年記念

今年は芥川(間所)紗織氏の生誕100年記念ということで、全国の美術館で展示が行われています。

芥川(間所)紗織 生誕100年特設サイト
https://saori-100th-anniversary.com/

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芥川(間所)紗織
女流画家協会展出品歴年譜

(参考文献:
女流画家協会データベース、
横須賀美術館監修「烈しいもの。燃えるもの。強烈なもの。芥川紗織 生涯と作品」)

・1924 愛知県生まれ
・1947 東京芸術大学本科声楽部卒
・1948 作曲家:芥川也寸志氏と婚姻
・1954 第8回女流画家協会展
「池の中の顔」
「アンテナのある顔」
・1955 第9回女流画家協会展
「女T」
「女U」
女流画家協会盛岡展(川徳デパート)
「女」
・1956 第10回女流画家協会展
「建御雷神と建御名方神の力競べ」
・1957 第11回女流画家協会展
「大蟹譚」船岡賞
芥川也寸志氏と離婚
・1958 第12回女流画家協会展
「トリ」
「笑う」
・1959 第13回女流画家協会展
「作品A」
「作品B」
・1960 渡米
第14回女流画家協会日米交歓展
(ニューヨークリバーサイド美術館)
作品名不明
・1962 帰国
・1963 第17回女流画家協会展
「黒いシェープA」
「黒いシェープB」
建築家:間所幸雄氏と婚姻
・1964 第18回女流画家協会展
「赤と黒」
・1965 第19回女流画家協会展
「スフィンクス」
・1966 妊娠中毒症により逝去(享年41歳)





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(第20回女流画家協会展目録(1966年)には
誰からも慕われた紗織氏の突然の死を悼んだ仲田好江氏の追悼文が綴られている)






第70回記念の会報に掲載された紗織氏(他、女流委員)の写真

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2024年9月22日(土)横須賀美術館で
「生誕100年芥川紗織トーク&レクチャー」
が開催されましたので行ってきました。

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東京から1時間で行けるのに、リゾート感いっぱいです。

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前半45分間は横須賀美術館学芸員:工藤香澄氏のわかりやすい作品解説。

紗織氏は1950年代に彗星の如く現れ、短命だったこと。
当時、前衛女性作家は稀だったこと、などなどの説明。

後半15分では芥川麻実子様(芥川紗織長女)、柚実子様(次女)のトークがとても楽しかったです。
自宅はたいへん大きく部屋がたくさんあったが、ほとんどが紗織のアトリエ化していた、とのことでした。

麻実子様は、紗織氏と交流があったいわさきちひろ氏の絵のモデルになった方。
じっとするのが嫌いで、泣いて嫌がったが、
「いちごを買ってあげる」と紗織に言われ、渋々モデルをしたそうです。
ちひろの作品によく出てくる相手役の男の子は、麻実子様よりだいぶ小柄だったので、電話帳の上に乗っかってモデルをしたのだそうです。

また、
「お嬢様たちはまだ幼かったのであまり記憶にないかもしれませんが、紗織さんが制作していた様子など、覚えていることがあれば教えてください」
との質問に対しては、

「制作している姿しか、記憶にありません」とのこと。
紗織氏が、主婦・母親ということよりも制作中心の人生だったことがわかりました。
特に次女が生まれた1955年頃、猛烈に制作をしていて、一緒にご飯を食べたり・・・といった記憶はほとんどないそうです。

紗織氏はもともとは声楽家でしたので歌が上手。子守唄を歌ってくれたが、ものすごく声が大きくてうるさくて寝れなかった!とのこと(笑)

麻実子様たちの楽しいお話のおかげで、
今までとは違った側面から作品を鑑賞できそうな気持ちがしました。

寄稿:中嶋しい





横須賀美術館 展示会場。

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横須賀美術館では10/20まで。

東京都現代美術館 11/10まで
東京国立近代美術館 12/22まで
それぞれ展示があります。


posted by joryugakakyokai at 12:42| 委員日記