2023年09月06日

7月の研究部の様子

7月の研究会は女流画家協会展が終わった翌月にもかかわらず、34名の方々が参加してくれました。

関口聖子委員のアーチストトークは「生命」に寄り添う思いにあふれた素晴らしいお話でした。
また皆さんは熱心に関口委員の講評を受けていました。

8月の研究会はお休みでした。
次回は9月22日金曜日です。

(寄稿/研究部担当 委員:黒沢 裕子)

            
         




作品のうらばなし
寄稿:7月研究部 講師:関口聖子


私宅の玄関前に大きくなりすぎた枝垂れケヤキがありました。毎年、秋になると落ち葉がポーチの雨どいを埋め、溢れた雨水が壁に浸みこんだり、門の外の道路まで茶色に埋め尽くしたりするのです。
今年、思い切って青々とした葉のうちに根元から伐ってしまうことに決めました。根方にお清めの御神酒と塩を供えました。業者が来てチェンソーを樹肌に当てたとき、一緒に見ていた長男が、「かわいそうだね」と呟きました。二人とも同時に39度の熱を出しました。おまけに私は階段の下二段を踏み外してあばら骨を痛めもしました。玄関前を塞いでいた大きな木が取り払われ、庭に大空が帰ってきたのです。これは喜びたいことでしたが、何かが心に引っかかったままでした。
切り倒す前に記念にと撮っておいた沢山の写真を取り出して見ました。地面から吹き出るような活き活きとしたケヤキの姿がそこにはありました。それが地上から一瞬にして跡形もなく消えたのだと思いました。
私は7月の都美館で行われた研究会で、「いのち」についてのお話をさせて戴きました。女流展には「刻(とき)」(100号)という画題で、枝垂れケヤキを描き留めました。

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posted by joryugakakyokai at 06:50| 研究部