2024年07月12日

6月の研究部の様子

第77回女流画家協会展も終わり一息つく暇も無く、研究部の皆さんはモデルのデッサンに励み、また次の新たな作品に向けてのエスキースを制作されています。毎日、少しずつ積み重ねて描き続けていく事が大切だとつくづく思いました。めげない、あきらめない女流画家達がたくさんいました。

今月の講師は前田 礼子委員でした。
キャベツをモチーフにした作品への思いを、今の絵にも持ち続けているというお話でした。仕事を続けながら、具象抽象の垣根をこえた絵と対峙してきた姿勢にすがすがしさを感じました。


研究部担当委員  黒沢 裕子






講師:委員 前田 礼子

                                  
中学生の時から油絵を描き始めて、女流に出し始めたのは就職した年の33回展からです。
それから毎回出品し続けていますが、研究会で皆さんにお話しした通り、制作している中で構図や色の割合や下塗りの色の響き方などに、悩んでは描くことの繰り返しです。それでも、仕事で頭がいっぱいだったのに筆を動かしている時には、そこからするりと抜けて平穏な気持ちになったのです。こんなに悩んで描いているのに、描くことがフルタイムで働く自分を支えてくれていることに気づかされました。

美大に行っていない私は、いつか基本に立ち返って学びたいと思っていました。
退職して留学したイタリアでは、10か月の間、油絵のスタジオ、イコン画の工房、フレスコ画の工房を掛け持ちして、基本的な技術習得のため朝の9時から時には夜10時まで筆を持つ生活を堪能しました。

今もなお、悩みは深いものの、絵を描く時間を大切にしていきたいと思っています。

JORYU-078前田礼子.jpg
(第77回女流画家協会展 「CABBAGE」 130F)



posted by joryugakakyokai at 06:27| 研究部