2023年11月02日

10月の研究部

10月の女流画家協会研究会の参加者は31名でした。
いつものように皆さん熱心に制作されていました。

講師は金谷ちぐさ委員でした。
アーチストトークでは、絵を描く姿勢の本来のあり方を、とても理知的にお話してくださいましました。また作品の講評は
時間をかけて具体的な指導をされていました。
ありがとうございました。

寄稿/研究部担当 委員 黒沢裕子




寄稿:10月研究部 講師:金谷ちぐさ


今年の夏に、私は地元の小さな絵の集まりで、展覧会で入選するのはどんな絵なのか、について話をしました。
これはあくまでも私感なのですが、うまい下手ではなく「魅力のある絵」が入選します。これが描きたかったのだ、描いていて楽しかった、と作者の気持ちが感じられる作品です。話をしながら、これは100号を制作する、女流の研究生の皆さんにもつながるということに気がつきました。
 人はそれぞれ違った体験をし、違った考えを持っているはずです。自分の大切な思いを人に伝えるのが絵画だとすれば、その思考が深いものであればあるほど、見る人に感動を与えます。
一体、自分は何が描きたいのか・・・実は、私もいまだ見えてきません。つかめそうでつかめない、何かもやもやした物がいつもあることは確かです。
絵を描くということは、自分自身を見つめることだと思っています。

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posted by joryugakakyokai at 23:30| 研究部

2023年10月17日

9月の研究部の様子

9月の研究会は残暑の中、33名の方々が参加しました。
講師は堀岡正子委員でした。
アーチストトークでは絵の制作に向かう真摯な態度をお話しくださいました。
講評会では、次回の本展に向けてとても具体的なご指導をしてくださいました。

次回の研究会は10月27日(金)です。

寄稿/研究部担当 委員 黒沢裕子





私の作品について
寄稿 :9月研究部 講師:堀岡 正子  
       
  
作品の事は、私の過去から話さなければと思っています。

40年程前に、10歳で息子を白血病で亡くしています。今と違って当時は、生存率がとても低かったです。
最後の一ヶ月位病院で息子と過ごした。
病院は高台にあり、夕方なると、眼下の家々に灯りがぽつぽつと灯り、その景色が幸せのシンボルに見えました。
なぜ? 私達だけがと暗澹たる気持ちになりました。
日々変わる息子の表情を写真ではなくスケッチしようと思ったが残念ながらうまく描けない。
絵を習っておけばと後悔しました。それが動機で現在に至っています。

樹をテーマにしているのは、その時の想いから樹は何千年、何百年と生き続ける。
そんな樹を通して、過去、現在、未来の人々の営みを描きたい。厳しい過去から一筋の光が見えるそんな作品にしたいです。
ただ最近は樹その物でなく、樹を含めた風景画になり、その中で自然の厳しさ、暖かさが描けたらと思っています。

最後に絵を描く事は、息子からのプレゼントだと思っています。

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posted by joryugakakyokai at 21:29| 研究部

2023年09月06日

7月の研究部の様子

7月の研究会は女流画家協会展が終わった翌月にもかかわらず、34名の方々が参加してくれました。

関口聖子委員のアーチストトークは「生命」に寄り添う思いにあふれた素晴らしいお話でした。
また皆さんは熱心に関口委員の講評を受けていました。

8月の研究会はお休みでした。
次回は9月22日金曜日です。

(寄稿/研究部担当 委員:黒沢 裕子)

            
         




作品のうらばなし
寄稿:7月研究部 講師:関口聖子


私宅の玄関前に大きくなりすぎた枝垂れケヤキがありました。毎年、秋になると落ち葉がポーチの雨どいを埋め、溢れた雨水が壁に浸みこんだり、門の外の道路まで茶色に埋め尽くしたりするのです。
今年、思い切って青々とした葉のうちに根元から伐ってしまうことに決めました。根方にお清めの御神酒と塩を供えました。業者が来てチェンソーを樹肌に当てたとき、一緒に見ていた長男が、「かわいそうだね」と呟きました。二人とも同時に39度の熱を出しました。おまけに私は階段の下二段を踏み外してあばら骨を痛めもしました。玄関前を塞いでいた大きな木が取り払われ、庭に大空が帰ってきたのです。これは喜びたいことでしたが、何かが心に引っかかったままでした。
切り倒す前に記念にと撮っておいた沢山の写真を取り出して見ました。地面から吹き出るような活き活きとしたケヤキの姿がそこにはありました。それが地上から一瞬にして跡形もなく消えたのだと思いました。
私は7月の都美館で行われた研究会で、「いのち」についてのお話をさせて戴きました。女流展には「刻(とき)」(100号)という画題で、枝垂れケヤキを描き留めました。

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posted by joryugakakyokai at 06:50| 研究部

2023年07月10日

6月の研究部


6月の研究会は東京都美術館での女流画家協会展が閉会してからすぐでしたが、参加者は例月と同じくらいでした。
平川きみ子委員のご都合がつかず、代わりに中元宣子委員に講師をお願い致しました。
抽象のベテランの委員の方が快く引き受けてくださいまして、とても感謝いたしました。
当日のアーチストトークでは、初めて女流画家協会展に出品した時のお話や、体の調子の悪い時でも、苦労しながら工夫して制作活動を続けたお話などをしてくださいました。
女流画家協会展での女流画家の活動をとても大切に思われているお気持ちが伝わってくる貴重なお話でした。                    

7月の研究会水曜日となります。
7月26日(水曜日)13:00~
講師 関口 聖子 委員


(寄稿/研究部担当 委員:黒沢 裕子)




「6月の研究会」 
寄稿:6月研究部 講師:中元 宣子


初出品の女流画家協会展は、F80号を3点、3点とも違う画風。入選した作品がリボン、テープ状の作品で、今の作品に繋がっています。
その後、モダンアート協会展で、金属性を高め、ハードな作品に発展させたましたが、事故後遺症で、モダンアート会員を退会しました。
女流一筋「ハートシリーズ」の絵を10年ほど続けました。ハートはloveという意味だけでは無く、心の平穏・不安・喜び・悲しみなどいろいろな感情が含まれています。病後の人生の岐路を心の中に渦巻いている気持ちをハートに込めました。
その頃手首の怪我で大きなストロークが描けなくなった事もあって、ハートの中に細かな形にして思いを描きました。
今まで多くの作品はS100号の正方形の画面でしたが、正方形ですとどうしても中心に構図が偏ってしまうので、昨年から大きさをF130号にして、気持ちが開放されるような絵にしたいと思って、そのせいか今回作(第76回女流画家協会展出品作)は、私の絵の原点に戻れたかなと感じています。
これからいつまでF130号が描けるか分かりませんが、闇の中の光に向かってひたすら描き続けたいと願っています。何が有っても絵に気持ちを託すと、良い方向を絵が示してくれます。

今回の研究会では、研究生の皆さんに、兎に角、絵を描く事を続けてください、何かが見えてきて、力と成り貴女を支えてくれると信じて描いて下さい、と訴えました。

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posted by joryugakakyokai at 00:00| 研究部

2023年06月29日

7月研究部のお知らせ

7月の研究部は水曜日の開催となります。

7月26日(水)13:30〜
東京都美術館2Fスタジオ
講師:関口聖子 委員
(アーチストトーク・作品講評)
・裸婦クロッキー
・固定デッサン
・ムービング

参加ご希望の方は担当:黒沢委員まで電話で申し込みをお願いします。
(6月研究会で申し込済みの方を除く)
黒沢裕子委員/連絡先 03-3308-0816


研究部の利用方法につきましては
下記のURLにてご確認をお願いいたします。
https://joryugakakyokai.com/popup/kenkyubu.html

みなさまのご参加をお待ちしております。


posted by joryugakakyokai at 06:34| 研究部

2023年05月24日

5月の研究部

5月の研究会の講師は金谷ゆみえ委員でした。
具象絵画から、抽象絵画へ絵を変えた時の葛藤と苦悩のお話は、共感される研究会の方がたくさんいました。
30名ほどの講評もていねいにして頂きました。

今月はコスチュームのモデルさんで好評でした。


(寄稿/研究部担当 委員:黒沢 裕子)




「いつの日か」

寄稿:5月研究部 講師:金谷ゆみえ

私は、体力がなく非常に不器用
その上本当に描きたい物が何なのかテーマもなく
毎回必死でない知恵を絞り出し
悪戦苦闘で描いています。
展覧会の展示会場では、いつも自分の作品を
正視できず、身の縮む思いをしています。
この様な私が、なぜ絵を描くのか常に考えながらも
女流画家協会展に今年で46回目の出品となります
いつの日か納得できる絵を描くことを願って。

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posted by joryugakakyokai at 00:00| 研究部

2023年05月11日

5月研究部のお知らせ

5月の研究部の日程は

5月19日(金)


13:00〜

講師:金谷ゆみえ 委員
(アーティストトーク、作品講評)

裸婦クロッキー・固定デッサン・ムービング


参加希望の方は黒沢裕子委員まで
電話で申し込んでください。
(4月の研究会で申し込んだ方を除く)


研究部事務所(問い合わせ先)
黒沢裕子 03-3308-0816



研究部日程については女流画家協会ホームページで随時更新しております。
研究部のお知らせ




posted by joryugakakyokai at 17:01| 研究部

2023年05月10日

4月の研究部


4月の研究会の講師は須藤美保委員でした。
講評会では、具体的で的確な講評で皆さん熱心に指導を受けていました。

アーチストトークでは、ホワイトボードを使って遠近法の講義をして頂きました。

線遠近法の一点透視法と二点透視法、空気遠近法の説明
また、画面構成に大切な消失点(視点を通り描く直線と水平線がその延長線と交わる点)や室内空間の描き方などを分かりやすく説明してくださいました。

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13分ほどの講義でしたので、ビデオを撮り保存しています。


(寄稿:黒沢 裕子 委員)






「きらめく時の中で」

寄稿:4月研究部 講師:須藤美保


表現したい気持ちを抑えきれずに現れてくるものをキャンバスの上にその通りに描写することは大変難しいことです。作家としての意識を持つようになってからは、特にそのギャップに悩んでいます。人物を描けばそのリアリティの表し方に技術が追い付かず、背景として設定した空間が実在のものからヒントを得ていても、選んだモチーフとの融合は簡単ではありません。少しでも自己表現の高みに届くことを願って、デッサン力の向上や技法についての研究に時間をかけてきたいと思っています。最近は水墨の技法に興味を持っています。日本画は岩絵の具に興味があるので多摩美の先輩に指導を願っています。いつも「次の作品こそ自己最高」

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5月19日(金)の研究会の講師は金谷ゆみえ委員です。
多くの方のご参加をお待ちしています。

研究部日程については女流画家協会ホームページで随時更新しております。
研究部のお知らせ




posted by joryugakakyokai at 18:35| 研究部

2023年03月26日

3月の研究部

3月の研究会の参加人数は34名でした。
堀岡正子委員のご都合がつかず、平木久代委員に講師をお願いいたしました。

平木委員は「何故絵を描いているのかを、常に自分に問いながら制作をしている。」
というお話をしてくださいました。
参加者の皆さんの作品講評も大変熱心にしてくださいました。


寄稿:黒沢 裕子 委員




「遥かなる夢」

寄稿:3月研究部 講師:平木 久代


絵画は、私自身の表現言語であると思っています。
今生きている中で、近年の気候の温暖化、異常気象による自然災害、東日本大震災それによる福島原発事故、コロナ感染拡大、ウクライナ戦争など、不安で混沌とした世の中になって来ています。
自分が生きている抗い難い運命の流れの中に、夢や希望を求め、自分自身が何を表現したいか私自身に問いかけながら、
キャンバスに向かっています。


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遙かなる夢・何処へ 130F


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4月21日(金)の研究会の講師は須藤美保委員です。
多くの方のご参加をお待ちしています。

研究部日程については女流画家協会ホームページで随時更新しております。
研究部のお知らせ





posted by joryugakakyokai at 17:26| 研究部

2023年03月11日

2月の研究部


2月の研究会の参加人数は33名で、
皆さんとても熱心に制作に取り組まれていました。

講師は広瀬晴美委員でした。
アーテストトークと作品を紹介させていただきます。
広瀬委員の絵に対する熱い思いがはっきりと伝わってきました。

3月17日(金)の研究会の講師は堀岡正子先生です。
多くの方のご参加をお待ちしています。

研究部日程については女流画家協会ホームページで随時更新しております。
研究部のお知らせ

              
寄稿:黒沢裕子 委員




作品について
2月研究部 講師:広瀬 晴美


「私的風景」
40年前に女流画家協会展に初めて出品した作品は、女子美術大学で卒業制作として取り組んだ作品と同じテーマでしたが、静物画というより静物を並べた風景画のようなものでした。描くモチーフが静物から風景とその中で生きる生物に変化し、ここ数年は花を中心に描くようになりました。散歩の途中で目にした花々の咲いている様、雨に打たれてもまた空に向けて伸びようとしている自然の力を、その時に感じた湿度や空気感とともに描いてきましたが、最近はもっと花に寄り添い私が感じるもの、心から湧き出てくる想いを花の命を描くことで表現したいと思っています。

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posted by joryugakakyokai at 19:00| 研究部