2023年10月17日

9月の研究部の様子

9月の研究会は残暑の中、33名の方々が参加しました。
講師は堀岡正子委員でした。
アーチストトークでは絵の制作に向かう真摯な態度をお話しくださいました。
講評会では、次回の本展に向けてとても具体的なご指導をしてくださいました。

次回の研究会は10月27日(金)です。

寄稿/研究部担当 委員 黒沢裕子





私の作品について
寄稿 :9月研究部 講師:堀岡 正子  
       
  
作品の事は、私の過去から話さなければと思っています。

40年程前に、10歳で息子を白血病で亡くしています。今と違って当時は、生存率がとても低かったです。
最後の一ヶ月位病院で息子と過ごした。
病院は高台にあり、夕方なると、眼下の家々に灯りがぽつぽつと灯り、その景色が幸せのシンボルに見えました。
なぜ? 私達だけがと暗澹たる気持ちになりました。
日々変わる息子の表情を写真ではなくスケッチしようと思ったが残念ながらうまく描けない。
絵を習っておけばと後悔しました。それが動機で現在に至っています。

樹をテーマにしているのは、その時の想いから樹は何千年、何百年と生き続ける。
そんな樹を通して、過去、現在、未来の人々の営みを描きたい。厳しい過去から一筋の光が見えるそんな作品にしたいです。
ただ最近は樹その物でなく、樹を含めた風景画になり、その中で自然の厳しさ、暖かさが描けたらと思っています。

最後に絵を描く事は、息子からのプレゼントだと思っています。

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posted by joryugakakyokai at 21:29| 研究部

2023年10月13日

女性と抽象 国立近代美術館

東京国立近代美術館2F ギャラリー4で開催中の
「女性と抽象」

女流画家協会の創立会員、ほか
計6名の先生方の作品が展示されています。


コレクションによる小企画
女性と抽象 国立近代美術館
会期:2023年9月20日 – 12月3日
月曜休館
一般500円(65歳以上無料)

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ピンクとシルバーメタリックの
とっても素敵なパンフレットです。

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作品リスト
・桜井浜江
「壺」 「花」

・三岸節子
「静物」

・藤川栄子
「塊」

・田中田鶴子
「無U」

・芥川(間所)沙織
「スフィンクス」

・桂ゆき(ユキ子)
「作品」



開館時間は10:00–17:00ですが
金曜・土曜は20:00まで開いていますので
本日(金)夜に行ってまいりました。
会社帰りの方々が結構いらっしゃいました。

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桂ゆき先生のコルクを貼り合わせた斬新な作品や、
重厚でダイナミックな桜井浜江先生の作品。
偉大な先生方の作品をゆっくりと鑑賞することができました。

パンプレットの巻末には
この展覧会の企画者座談会が掲載されていて、とても興味深く読みました。
その中で、
女流画家協会の設立に関わった人たちは早い時期に退会していることに言及されており、
「協会の発足は目的がはっきりしていたので、達成したと感じて各々の活動を重視していったのも納得でした」と書かれています。

女流画家協会は、女性画家が団結することで芸術・地位の向上と新人の登竜門を目指したのですよね。
先日の清水康友先生の講演会を色々思い出しました。
女流画家協会創成期とその周辺 YouTube



所蔵作品展では女流画家協会の展示以外にも
たくさんの素晴らしいコレクションが見れます黒ハート

(web係:中嶋しい)






posted by joryugakakyokai at 21:25| 委員日記

2023年10月09日

長島晴美展

会友の長島晴美さんの個展

ギャラリー暁
2023年10月9日(月)〜14日(土)

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女流画家協会展の出品者の皆様
個展開催の際は女流事務所宛にDMをお送りください。
ブログでご紹介いたします。

委員・会員の個展情報ページはこちら


posted by joryugakakyokai at 21:43| 作家日記

2023年09月22日

新刊 「女性画家たちと戦争」

NHK番組で取り上げられた内容の本、
「女性画家たちの戦争」(2015年発刊)を元に、
新たな内容が加筆され

新刊「女性画家たち戦争」が平凡社より発売されました。

吉良智子さん著

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女流画家協会創立メンバーの先生方が大勢 登場しています。






posted by joryugakakyokai at 00:00| 委員日記

2023年09月21日

桜井浜江 初期作品展

故 桜井浜江先生の初期作品展が開催されます。

9/26〜10/22
三鷹市桜井浜江記念市民ギャラリー
観覧料:無料

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posted by joryugakakyokai at 18:39| 委員日記

2023年09月06日

7月の研究部の様子

7月の研究会は女流画家協会展が終わった翌月にもかかわらず、34名の方々が参加してくれました。

関口聖子委員のアーチストトークは「生命」に寄り添う思いにあふれた素晴らしいお話でした。
また皆さんは熱心に関口委員の講評を受けていました。

8月の研究会はお休みでした。
次回は9月22日金曜日です。

(寄稿/研究部担当 委員:黒沢 裕子)

            
         




作品のうらばなし
寄稿:7月研究部 講師:関口聖子


私宅の玄関前に大きくなりすぎた枝垂れケヤキがありました。毎年、秋になると落ち葉がポーチの雨どいを埋め、溢れた雨水が壁に浸みこんだり、門の外の道路まで茶色に埋め尽くしたりするのです。
今年、思い切って青々とした葉のうちに根元から伐ってしまうことに決めました。根方にお清めの御神酒と塩を供えました。業者が来てチェンソーを樹肌に当てたとき、一緒に見ていた長男が、「かわいそうだね」と呟きました。二人とも同時に39度の熱を出しました。おまけに私は階段の下二段を踏み外してあばら骨を痛めもしました。玄関前を塞いでいた大きな木が取り払われ、庭に大空が帰ってきたのです。これは喜びたいことでしたが、何かが心に引っかかったままでした。
切り倒す前に記念にと撮っておいた沢山の写真を取り出して見ました。地面から吹き出るような活き活きとしたケヤキの姿がそこにはありました。それが地上から一瞬にして跡形もなく消えたのだと思いました。
私は7月の都美館で行われた研究会で、「いのち」についてのお話をさせて戴きました。女流展には「刻(とき)」(100号)という画題で、枝垂れケヤキを描き留めました。

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posted by joryugakakyokai at 06:50| 研究部

2023年08月12日

8月の委員会の様子

8月8日、猛暑の中
定例の委員会が東京都美術館スタジオで開かれました。

今回は、76回展にて新委員に推挙となった9名中8名の出席があり、全国各地からそれぞれの様子などを自己紹介とともにお話いただき、和やかなシーンが繰り広げられました。


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【新委員】
今井博子
加藤浩恵
河井雅江
酒井佳津子
すずきふみえ
中田やよひ
中村裕子
新戸部ひろみ
深井富美子

その他の議題は
76回展報告、決算報告、画集報告、77回予算案、新役員、についてなどの確認・話し合いを行いました。


posted by joryugakakyokai at 20:34| 委員日記

2023年07月15日

NHK 日曜美術館

日曜美術館のご案内です。
7月16日(日)朝9時〜9時45分
再放送23日(日)夜8時〜

 「友よ、我らの美しき野は・・・ 画家・三岸節子と長谷川春子」

https://www.nhk.jp/p/nichibi/ts/3PGYQN55NP/

放送波: NHK・Eテレ

番組内容(予定):
日本の女性画家の草分けである三岸節子と長谷川春子。女性が絵を描くことの壁が高かった時代、節子や春子たちは“描くこと”こそが、新たな地平を切り開く道であると信じ、人生を賭けた。彼女たちは、どのように時代と向き合い、その願いを絵筆に込めていったのか?

3月に放送し大きな反響のあったBS1特集「春子と節子」の映像を交えながら、三岸節子や長谷川春子やが遺した「作品」を中心にご紹介。

戦前に生まれ、戦中に行き、戦後を生き抜いた女性画家たちが、それぞれ渾身の思いを込め描いた作品をじっくりと鑑賞する。

出演 吉良智子さん(美術史家/スタジオ出演) 長谷川和光さん(長谷川春子おい・作曲家)、田村邦明さん(筥崎宮宮司),丹野汀さん(一宮市三岸記念美術館学芸員)

司会 小野正嗣さん(作家・早稲田大学教授) 柴田祐規子アナウンサー

posted by joryugakakyokai at 08:19| 委員日記

2023年07月10日

6月の研究部


6月の研究会は東京都美術館での女流画家協会展が閉会してからすぐでしたが、参加者は例月と同じくらいでした。
平川きみ子委員のご都合がつかず、代わりに中元宣子委員に講師をお願い致しました。
抽象のベテランの委員の方が快く引き受けてくださいまして、とても感謝いたしました。
当日のアーチストトークでは、初めて女流画家協会展に出品した時のお話や、体の調子の悪い時でも、苦労しながら工夫して制作活動を続けたお話などをしてくださいました。
女流画家協会展での女流画家の活動をとても大切に思われているお気持ちが伝わってくる貴重なお話でした。                    

7月の研究会水曜日となります。
7月26日(水曜日)13:00~
講師 関口 聖子 委員


(寄稿/研究部担当 委員:黒沢 裕子)




「6月の研究会」 
寄稿:6月研究部 講師:中元 宣子


初出品の女流画家協会展は、F80号を3点、3点とも違う画風。入選した作品がリボン、テープ状の作品で、今の作品に繋がっています。
その後、モダンアート協会展で、金属性を高め、ハードな作品に発展させたましたが、事故後遺症で、モダンアート会員を退会しました。
女流一筋「ハートシリーズ」の絵を10年ほど続けました。ハートはloveという意味だけでは無く、心の平穏・不安・喜び・悲しみなどいろいろな感情が含まれています。病後の人生の岐路を心の中に渦巻いている気持ちをハートに込めました。
その頃手首の怪我で大きなストロークが描けなくなった事もあって、ハートの中に細かな形にして思いを描きました。
今まで多くの作品はS100号の正方形の画面でしたが、正方形ですとどうしても中心に構図が偏ってしまうので、昨年から大きさをF130号にして、気持ちが開放されるような絵にしたいと思って、そのせいか今回作(第76回女流画家協会展出品作)は、私の絵の原点に戻れたかなと感じています。
これからいつまでF130号が描けるか分かりませんが、闇の中の光に向かってひたすら描き続けたいと願っています。何が有っても絵に気持ちを託すと、良い方向を絵が示してくれます。

今回の研究会では、研究生の皆さんに、兎に角、絵を描く事を続けてください、何かが見えてきて、力と成り貴女を支えてくれると信じて描いて下さい、と訴えました。

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posted by joryugakakyokai at 00:00| 研究部

2023年06月29日

7月研究部のお知らせ

7月の研究部は水曜日の開催となります。

7月26日(水)13:30〜
東京都美術館2Fスタジオ
講師:関口聖子 委員
(アーチストトーク・作品講評)
・裸婦クロッキー
・固定デッサン
・ムービング

参加ご希望の方は担当:黒沢委員まで電話で申し込みをお願いします。
(6月研究会で申し込済みの方を除く)
黒沢裕子委員/連絡先 03-3308-0816


研究部の利用方法につきましては
下記のURLにてご確認をお願いいたします。
https://joryugakakyokai.com/popup/kenkyubu.html

みなさまのご参加をお待ちしております。


posted by joryugakakyokai at 06:34| 研究部